Best Album of 2017 Top11-20(hitomi)


11.LCD Soundsystem – american dream

写真引用元:https://lcdsoundsystem.com

ファンが待ち望んだ復活作は、言うまでもなくパーフェクトだった。序盤で徐々に高まる高揚感、中盤ではロックとテクノのぶつかり合いに踊らずにはいられず、終盤では不穏な空気感漂うメロディーに無意識にもゆらゆらと頭を揺らしてしまう。この不穏さは、社会と対峙した作品だからこそなのだろうか。改めてタイトルの”アメリカン・ドリーム”について考えさせられる。

12.The National – Sleep Well Beast

写真引用元:http://americanmary.com

ずっと待ち望んでいた4年ぶりの7作目。クラシカルでありながら、鋭く刻まれるビート、ジーーーンと響くギターなど・・・今まで以上に抜群に格好良くて初めて聴いた時は震えが止まらなかった。疾走感ある『Day I Die』から、囁くように歌い上げる『Walk It Back』、ストリングスやギターのアンサンブルが素晴らしい『Sleep Well Beast』まで、あっという間の58分である。

13.Beck – Colors

写真引用元:http://beck.com

こんなポップなBeck、見たことない!でもこんなBeckも大好きだ!と思わず声に出してしまった。前作がセピア調だったのに対して、今作はタイトル通り色鮮やかで1曲の存在感の大きいこと。Beckはどんな曲でも作れてしまうんだなと改めて尊敬してしまう。

14.Gorillaz – Humanz

写真引用元:http://gorillaz.com

Gorillazの新作については下記のブログにコンセプトや背景がまとめられていて面白いので是非読んでほしい。

GORILLAZ『Humanz』は2017年を代表する一枚だ 柴 那典がK・ラマー『DAMN.』と比較考察

単なるパーティー感ある作品ではなく、そこにはデーモンのメッセージが込められていた。私は今年、Gorillazの影響でKilo KishやZebra Katzにどハマりした。

15.The Head and the Heart – Stinson Beach Sessions

写真引用元:http://theheadandtheheart.com

シアトル出身の6人組の3作目。レトロでフォーキーなサウンドの中に散りばめられたピアノの音色が感傷的で美しい。あたたかい日差しが差す場所でうとうとしながら聴きたい1枚。

16.Benjamin Gibbard – Bandwagonesque

写真引用元:http://benjamingibbard.net

Death Cab For CutieのBenjamin Gibbardが、1991年のTeenage Fanclubのアルバムをフルカバーした作品。彼が自分の好きなレコードに敬意を持って扱い、Benjaminらしく現代的に、忠実にカバーしたことがうかがい取れる最高のカバーアルバムだ。

17.warbear – warbear

写真引用元:http://www.warbear.jp

2016年に解散したGalileo Galileiのフロントマン、尾崎雄貴のソロプロジェクト。Galileo Galileiらしさは残るけれど、随所にサックスがフィーチャーされていたり、全体的にモダンな仕上がりになっている。尾崎さんの作る新しい音楽を聴けるだけでもファンとしては嬉しいのに、こんなにノスタルジックでずっと聴いていたい素敵な作品を世に出してくれて、本当にありがとうと伝えたい。

18.Kaitlyn Aurelia Smith – The Kid

写真引用元:https://kaitlynaureliasmith.bandcamp.com

近年精力的に新作を発表し続けているワシントンの北西部にあるオーカス島出身の女性アーティスト。前作にも増して洗練されたAnimal Collectiveのようなサイケデリックさは、今年一番宇宙を感じる電子音楽と言えよう。

19.Nick Murphy – Missing Link

写真引用元:http://nickmurphymusic.com

2016年にChet Fakerから改めNick Murphyとして活動していくことを発表した彼が、突如予告なしにリリースしたEP。5曲と少なくはあるが、満足感の大きい一枚。特に『Forget About Me』が好き。

20.Grandaddy – Last Place

写真引用元:http://www.grandaddymusic.com

Grandaddyが結成されたのは私の生まれ年だ。一度解散して再結成した彼らのこの作品が、こんなにも自分に響いたことに少し驚いている。少し怪しげなシンセと、ギター・アルペジオが素敵なアメリカの田舎町を連想させられる風通しの良い作品だ。


Best Album of 2017 Top21-30 (hitomi)


21. Moon Duo – Occult Architecture,Vol.1

写真引用元:http://moonduo.org

ポートランドを拠点に活動するサイケデリック・ユニットの4作目。闇と光という両極端のコンセプトを持ってVol.1とVol.2に分けて制作された今作は、闇がテーマ。彼らの特徴である厚みのあるビートと、ガレージ感のあるサイケなサウンドがクセになる。

22.Arca – Arca

写真引用元:http://www.arca1000000.com

今年のフジロックフェスティバルでは強烈なステージを魅せたArcaの、XL Recordingsからは初となる3作目。暴力的で且つ美しい音のぶつかり合いは衝撃と興奮の連続。この奇妙なArcaの世界感の虜になった人も多いのではないだろうか。

23.Surma – Antwerpen

写真引用元:http://omnichordrecords.com/en/artists-2/surma-15/

ポルトガル中部の都市であるレイリーアを拠点に活動する、22歳のソロアーティストSurmaのデビュー作。ジャズとアンビエントミュージックを取り入れた幻想的なサウンドと、彼女の子守唄のような美しく温かい歌声が全編を通して心地よい。

24.The New Pornographers – Whiteout Conditions

写真引用元:http://www.thenewpornographers.com

カナダのバンクーバーの大所帯パワーポップバンドの3年ぶりとなる待望の7作目。ベテランだからこそ全体的に安定感があり、メロディアスで楽しい曲しかない。煌びやかなシンセと男女混声ボーカルは何度でも聴きたくなる。少し古い映画の中に入って冒険するような感覚を味わわせてくれる1枚。

25.The Pains of Being Pure At Heart – The Echo Of Pleasure

写真引用元:http://www.thepainsofbeingpureatheart.com

NYのインディーロックバンドの4作目。フロントマンのキップ・バーマンが「これが最後の作品になるかもしれない」と語る今作は、さすがは期待を裏切らないピュアで甘くてドリーミーなペインズ節全開の最高の1枚。

26.Porcelain Raft – Microclimate

写真引用元:http://www.porcelainraft.com

ロサンゼルスを拠点に活動するドリーム・シンセポッププロジェクトの3年ぶりの新作。ガラスのように繊細な歌声とメロウなサウンドはもちろん健在。儚い夢の中の世界へ聴き手を誘う、至高のドリームポップ。

27.Xiu Xiu – FORGET

写真引用元:http://www.xiuxiu.org

「Xiu Xiu」と書いて「シュシュ」と読む。カリフォルニアのエクスペリメンタル・ロックバンドの新作は、今回もノイジーで実験的で狂っていて・・・とにかく最高!もはやジャンル付けすることは不可能な彼らのサウンドは、最高に刺激的だ。

28.DEDE – Panoply

写真引用元:https://freshselects.bandcamp.com/album/panoply

ロサンゼルス在住のシンガーソングライターのファースト・アルバム。透明感のある歌声と、ひんやり冷たいシンセ・サウンドが心地よい。ラストに収録されている『Faultline』はGrizzly BearのEd Drosteとコラボしたことで話題を呼んだ。

29.Johann Johannsson – Arrival

写真引用元:http://www.johannjohannsson.com/discography/

アイスランドのポスト・クラシカルの作曲家である彼が手掛けた、映画『メッセージ』のサウンドトラック。私は映画は見ていない(大きな声では言えない)のだが、作品に漂う不穏で不気味な空気感が宇宙を連想させる。サウンドトラックという枠を超えた壮大な音楽作品だ。

30.Clap!Clap! – A Thousand Skies

写真引用元:https://clapclap.bandcamp.com

イタリアの奇才トロピカル・トラックメーカーの、より洗練された2作目。テクノ、アフロビート、ハウスなど多彩な要素が混ざったエキゾチックで原始的な今作は、どこかの民族に紛れ込んだかのような楽しさと熱がある。

12月末にかけてBest1-20を発表します。宜しくお願い致します。


シドニーから世界へ!Gang Of Youthsがアツい


http://www.gangofyouths.com
写真引用元:Gang Of Youths

オーストラリア音楽業界大手のオーストラリアレコード産業協会が主催するオーストラリア版グラミー賞、Aria Music Awardで今年4部門を制した5人組、Gang Of Youthsが今アツいのでご紹介したい。

オーストラリアではすでに国民的バンドに!

Gang Of Youthsは、Sonic Youthやthe Replacements、Leonard Cohenの影響を受けて、2012年にシンガーソングライターのDave Le’aupepeを中心に学校や教会の友人たちで結成された。

ボーカルのDaveは19歳の頃、肺癌を患い余命2年を宣告されたガールフレンドに病室で聴かせるために曲を書き始めたという。

2013年に彼らの自主レーベルであるMosy Recordingsからリリースされたファーストシングルがラジオでピックアップされ話題となり、2015年に発売したデビューアルバムの「The Positions」はオーストラリア音楽チャートの5位を記録し、オーストラリア中にその名を轟かせた。

初期U2、Kings Of Leonを思わせる貫禄

今年の8月に発売されたアルバム「GO Father in Lightness」は、Aria Music Awardでベストアルバム部門を受賞し、今話題を呼んでいる。

前作よりも洗練され、希望に満ち溢れた美しくも最高にロックなこの一枚は、初期U2やKings Of Leonのような貫禄さえも感じさせる。

2018年の彼らの更なる活躍に期待したい。


スイートなギターポップを鳴らすpronounのススメ


https://www.popgunpresents.com/artist-features/introducing-pronoun-a-million-other-things/
参照:Pop Gun Presents

冬になると不思議なもので、冬らしい音楽が聴きたくなる。

今回ご紹介するのは、心が温まるくらいベリースイートなシンセ・ギターポップを聴かせてくれるpronounである。

2016年にデビューEPをリリース

pronounは、ボストン出身ブルックリン在住のAlyse Vellturoのソロプロジェクトだ。

2016年に4曲収録のデビューEP「There’s no one new around you」をリリースしている。

この中に収録されている『Just Cuz You Can’t』のMVは、Julien Baker’sの『Sprained Ankle』のMVと同じSabyn Mayfieldが監督した。

仕事が終わると毎晩ビール6本入りパックを購入して帰宅し、エレキギターと共に小さなPCに向かい合い楽曲制作に励んでいたという。

楽曲の骨組みができると、裏庭でタバコを吸いながら歌詞を書き、録音した。全ての曲の歌詞は約3分で書いたというから驚きだ。

ガーリーな見た目とは裏腹、自称「Emo Kid」

彼女はガーリーなルックスとは裏腹に、自分のことを「Emo Kid」と呼んだ。

最近ではChance the Rapperのライブに行き、その情熱とエネルギーに心を動かされたという。これからも一人で自分の音楽を作り続けていくという彼女に、音楽に対する深い愛情を感じた。

Day WaveやPains Of Being Pure At Heartファンには是非おすすめしたい。

また、この季節にぴったりな『Last Christmas』のカバーも、Wham!の原作に忠実でありながら、pronounらしくエモい仕上がりになっているので必聴だ。


フィラデルフィアのVita and the Woolfに注目


昨年USA TODAYが発表したM83のツアーバスプレイリストを聴いていて、気になるバンドを見つけた。

https://www.facebook.com/vitaandthewoolf/
出典:Vita and the Woolf Facebook

フィラディルフィアを拠点に活動するVita and the Woolfは、Vo.のJennifer Pagueを中心にAdam Shumski(Dr.)、Dane Galloway(Gt.)の3人で活動している。

まずは、6月にリリースされたばかりの「Tunnels」から、リード曲である『Sun Drop』を聴いてみてほしい。

Vita and the Woolfは、1920年代に脚光を浴びたイギリスの女性作家であるヴィタ・サックヴィル=ウエストと、同じく小説家のヴァージニア・ウルフのプラトニックな同性愛からインスピレーションを得て2012年に結成された。

力強くも幽玄にゆらめくJennifer Pagueの歌声はFlorence + The Machineをも彷彿とさせ、時に畏怖すら感じさせる。

今年は、「Tunnels」リリース、Savannah Stopover festivalへの出演や、Clap Your Hands Say Yeahとのツアーなど、とても忙しかったようだ。

すでに来年のSXSWへの出演も決まっているVita and the Woolf。2018年の活躍と、新たなプロジェクトに注目したい。